今までで一番うれしい雨
この地域に75年暮らしている翁、よっちゃんによると、「まいったよ。こんなに降らない年は今までなかんべえ」とのこと。
11月に4・5ミリ、12月に4・5ミリ、1月は0ミリ、2月は24日までに5ミリ(雪)。かつてない渇水により、井戸は枯れ、植えた苗は根づかず枯れ、播いたにんじんはまばらにしか発芽せず…。今までで一番苦しい冬でした。
そして2月25日、しとしとと雨が降り出し、そのまま一日降り続き、カラカラのスポンジ畑に水がキューっと、一日中吸い込まれているようでした。この日の雨量は16・5ミリ。11月から2月までの総雨量以上の雨が一日で降ったことになります。
翌日、畑を見回ると、キャベツやレタスの外葉がつややかで新葉が青々しいこと! そして菜花、ブロッコリーは、待ってましたと言わんばかりに花蕾をどんどん上げてきています。たった一日で変化する野菜の様子に驚きました。
いっぽうで、乾燥していた時期のダメージを取り返せないものも多々あり、4月どりのキャベツ、カリフラワーなどは、枯れたり、根づいてもちっとも大きくならなかったり(老化)と、生育に大幅な遅れがあります。4月中~下旬収穫は難しそうです。レタスもまた、乾燥で根が傷み、老化気味の生育なので、収穫できるかどうか怪しいところ。苦しい冬は春にまでもつれこみそうです。 (友亮)
春はどこから
カラカラに干からび、停滞しきっていたように見えた野菜たちが、たった1日の雨により一斉に動き出しました。その瞬発力、ドラマチックな大転換劇を見ていると、停滞していたわけではなく、寒さや乾燥に耐えながらずっと、じっと、この雨を待っていた、準備をしていたのだと思い知らされます。
菜花がぐいぐいと伸びていく姿を見て私たちは春がきたのだと知りますが、その前から菜花は春が来ることを知っていて、花を咲かせる日のために下のほうで蕾をつけて待っています。菜花にとっては、冬至がひとつのメルクマール。冬至を過ぎて日一日とお日様が出ている時間が長くなると、それを感知して蕾ができはじめます。ただ、冬至はまだまだ寒いので、蕾をつくってもすぐに伸びずにじっと待っているのです。そしてじゅうぶんな暖かさと水が得られたら「いまだ!」とばかりにトウを伸ばし、夏の前に子孫を残そうとするわけです(寒さに強い菜花やイタリア菜花のチーマディラーパなどは12月末から1月にはもう出てきますが)。
カレンダーがなくても、冬の次には春が来ることを知っていて、光や温度や水分をからだじゅうで感じて動き出す。毎年ながら、えらいものだなあと思います。
土のなかで冬眠していたカエルも、地中の温度が6度になると春を感じて外へ出てきて、交尾をはじめます。この6度というのは野菜の種をまくのにもちょうどいい温度で、カエルの動きを合図に昔の人たちは種をまいていたそうです(二十四節季では「啓蟄(けいちつ)」という)。
菜花が咲き、虫やカエルが動き出す3月。白菜や大根、キャベツなどの冬野菜もトウ立ちがはじまり、根や結球部分が食べられなくなるので端境期となるわけですが、もう少しすれば種をまいておいた春のにんじんや大根、レタスなどが育ってくるかと。どうぞもうしばらくお待ちください。 (照手)
3月・4月の出店
3月28日(土)に川越で、4月11日(土)に熊谷で野菜の販売会を行ないます。お菓子や飲み物の販売もあります。お知り合いでお近くの方がいましたら、お声がけいただけると幸いです。
●3月28日(土) 薬局トレマ 川越市大手町13‐14
●4月11日(土) アキモトコーヒーロースターズ 熊谷市本石2‐341‐4

