

新じゃが、新玉ねぎがとれはじめたので、ずっとつくってみたいと思っていたパレスチナの炊き込みご飯「マクルーバ」をつくりました。野菜と肉、米とスパイスを炊きこんだものを最後に鍋ごとひっくり返す、というもの(マクルーバはひっくり返す、という意味)で、レシピ(*)に載っていたのはご飯のケーキのような見た目だったのですが、鍋底にくっついた米が上手くとれず、エッジの欠けた黄色いご飯の山になってしまいました…。お米もジャポニカ米(レシピでは長粒米)、具材もトマトやナスではなくグリーンピースやズッキーニを入れたりと少し違いますが、コリアンダーやシナモン、カルダモン、クローブなど8種のスパイスの芳醇な香りと野菜と米の甘み、油のコクが合わさり、びっくりするくらいおいしい炊き込みご飯になりました。
鶏肉を下ゆでし、野菜を揚げ焼きにしてそれぞれとり出してから、鍋に野菜、肉と重ねていき、米とスパイス、肉のゆで汁を入れて炊く…という手順を読み、はじめは大変そうと尻ごみしたのですが、丁寧に下ごしらえをするのはそれだけ大事な料理なのでしょう。また、たくさんの具材やスパイス、油が使えるのは豊かな土地、豊かな食文化が根底にあるからなんだろうな…ともともと彼の地で営まれていた暮らしを想像しました。
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一転して現在、パレスチナ・ガザの状況は最悪を更新し続けています。イスラエル軍の無差別爆撃に加え、今年3月2日から2カ月半、ガザへの支援物資の搬入が止められて、お祝い料理のマクルーバはおろか、日々の食事もままならず、空っぽの鍋を抱えた子どもたちが配給所に押し寄せる状態。意図的につくり出された飢餓が広がっています。
意図的につくり出された飢餓が広がっています。
やせ細っていく乳児や爆撃でとんでもない姿で亡くなっていく子どもの映像が目の裏にこびりつき、5月のさわやかな畑も、みずみずしい野菜の味も、心から喜べないのが正直なところです。畑で人を豊かにするための食べものを育てているいっぽうで、同時進行で、意図的に食べられない状況がつくりだされている世界があるというのは、やるせないです。
この状況に対して、微力ではあってもできることはいろいろあります。どうか少しでも心を寄せて、小さくとも行動してもらえれば…、そしてこの状況をなんとかひっくり返せたらと思います。 (照手)
〇寄付する
寄付先がたくさんありすぎて、どこへ送れば…と迷子になっていたのですが、信頼できる方に託すのがいいかと思い、このところ兵庫県・淡路島にある毎日食堂さんのワンコイン寄付を利用しています。コーヒー1杯分の寄付ということで続けやすいのもありがたいです。
イラストレーターの會本久美子さんがはじめられた「寄付の日」という取り組みも。
気軽に少額から(PayPayなら100円からでも)寄付ができ、パレスチナ・ガザに生きる4家族に直接届けてもらえるそうです。
https://emotokumiko.thebase.in/items/109132259
月に2回ということで、次回は6月18日(水)にあるそうです。
〇ボイコット
イスラエル産のレモンやオレンジ果汁の入ったものを買わない。イスラエルを支援している企業(マクドナルド、ディズニー、スターバックス、コカ・コーラなど)にお金を落とさない、等日常の買い物で意思表示をする方法もあります。
〇日本政府に、イスラエルに圧力をかけるよう求める
「首相官邸ご意見箱」や「外務省ご意見箱」に、「イスラエルによるガザ侵攻の停止と人道支援の全面再開を求めます」と一文だけでも意見を送ってもらえたらと思います(何度送ってもOK)。
数がたくさん集まることが大事と思います。
〇市民がつくるパレスチナ情報サイト「OLIVE JOURNAL」にいろいろなパレスチナ連帯アクションが載っているので、ぜひのぞいてみてください。
https://olivejournal.studio.site/
*参照したのは2024年8月に京都市の料理家、宍倉慈さんが自費出版した『抵抗のためのレシピ』。身近な食の話題を通して、パレスチナの人たちや文化に心を寄せてほしいとの願いを込めてつくった本だそうです。

