
春の盛り。
野でも山でも、毎日ざらんざらんとみどりが音を立てて増えていきます。
土のなかで眠っていたかえるやヘビ、トカゲも動き出し、冬の間あまり人影のなかったこの地域でも、あちらこちらで住人たちが草刈りやら耕耘やら野良仕事に励む姿が見られます。
子どもは畑に出るたび、保育園の散歩へ行くたび、その辺に生えている野蒜(のびる)やつくしやスギナやなんやかやをとってきては、何か料理せいとせっついてきます。農繁期にさしかかった我々。だんだん余裕がなくなってきているので、ええい!とうっちゃりたくもなるのですが、しょうがないからと天ぷらにしてみた野蒜が思いのほかおいしくて、この春はよく食べています。
そして子がとってきた野蒜を地主さんにも少しおすそ分けしたところ、今度はたけのことたらの芽の2倍返し。地主さん曰く、「春はそのへんにあるものだけでごはんになる。ニラだって勝手にはえてくるもんね」。種をまいて資材をかけてあたためて、ようやく野菜をとっている身としては腰砕けしそうになる話ですが、そのへんにあるものをいちいち採取してごはんをつくる楽しみはまた別物というか、春ならではのおままごとだなと思います。
でもそんな楽しみを享受できるのも、草刈りや竹林整備など、日々野に人の手が入っているからなのだよな…とも。そうした仕事を担っている人たちは私たちの三回りも四回りも年配の方々で、10年後20年後はどうなっているのだろう…と考えつつ、今日も山菜の天ぷらを食べました。 (照手)

がんばって!テントウムシ
2月下旬に種をまいた夏野菜たち。あたたかいハウスの中で育苗し、そろそろ花が咲いて定植…となる頃なのに、蕾すら出ていません。様子がおかしいなとナス、ピーマン、唐辛子の苗をまじまじ見ると、葉の裏にアブラムシがびっしり! どの苗にもまんべんなくついていて、ひどいやつは枯れかけています。連日の忙しさによる観察不足。不覚です。
アブラムシにつかれた株は定植後も生育が阻害され、酷いものだと枯死してしまうこともあります。
とにかく地道にやるしかないと、葉っぱ一枚ずつめくっては、シャワーノズルの水流をぶち当てて、アブラムシを飛ばしました。8割くらいは飛んでいきましたが、しぶとく残っているやつも。繁殖力が凄まじいので、できれば一匹もいないようにしたいのですが…。
すると、照手が虫かごいっぱいのテントウムシ(幼虫&成虫)をとってきて苗の上に放ってくれました。テントウムシは1日あたり、40匹のアブラムシを食べてくれるそうです(幼虫の方が大喰らいだそう)。
そんな話を近所のたか子さんにしたところ、数日後に「池田くん池田くん」と小走りでやってきて、グーにした手を「ほら」とあけて、そのへんで捕まえたテントウムシ2匹をナスの苗に置いてくれました。
あちこちから連れられてきたテントウムシのおかげか、樹勢は徐々に回復してきたように見えます。果たして、今年のナス、ピーマンやいかに。みなさまからのテントウムシも随時、募集しています。 (友亮)