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みどりの通信 2024年2月号 お知らせ/春はすぐそこに/冬野菜と調整のなはし

お知らせ

 3月11~29日まで、端境期のため野菜セットをお休みさせていただきます。秋冬野菜の作付けが昨年の虫害などでうまくいかなかったこともあり、今年は長いお休みとなってしまいました。何とぞよろしくお願いいたします。

 

春はすぐそこに

 山の木の葉は落ち、はだかんぼうの木々が並びます。夏場、嫌になるほど生い茂っていた草も枯れ、あらゆる命が息をひそめて寒さを耐え忍ぶ…。この世のみずみずしいものはすべて失われてしまったかのような1、2月です。

 モノクロームの景色に少々うんざりし、あたたかさを求めてきょろきょろしていると、蝋梅〈ロウバイ〉の黄色がぽっと見えました。そして山へ続く道に植わっている紅梅にピンクの花がちらほら。台所でタアサイをザックリ切ると、真ん中に小さな花芽の兆し(つぼみのあかちゃん)がありました。

 寒くて動きがないような季節ですが(野菜の種類も単調になりがちです)、確実に春は近づいています。今年は暖冬の影響か、近所の直売所で早くもフキノトウが売られていました。

 畑では、これから来る春を思って大根やにんじんの種をまき、レタスの苗を植え、夏にとれるであろう麦を踏み、山では夏野菜の苗を育てる温床を用意するため、落ち葉集めをしています。

 3月はお休みをいただきますが、よりよい春、夏を迎えられるよう準備を進めたいと思います。(照手)

 

冬野菜と調整のはなし

 冬の露地野菜のたちは、夜から早朝にかけて凍結、昼間に解凍を繰り返すので、そのうち葉っぱに傷みが出ます。それらを取り除いてから出荷しているのですが、そんな話を少しご紹介します。

 畑にある白菜は外葉がシナシナパリパリで、まるでミイラのような姿をしていますが、外葉を8枚、9枚とむいていくと、白っぽくてきれいな結球部が現れ、「ああ、これならセットに入れられる」と、安堵します。でも今年は暖冬のせいか、むいていった奥深くに、生き残りのヨトウムシがいることもあり、「キャーッ!」となりながら捕殺。その周辺は食害痕があるからともう2枚むき、あれ、めっちゃ小さくなった…みたいなことがよくあります。

 キャベツも凍害によるシミ(黒い点々がついているだけで味には影響なし)がひどい場合は、どんどん葉っぱをむいて、きれいにします。その過程で大きさが2/3〜1/2くらいになってしまうことも。

 ホウレンソウやちぢみ菜、タアサイなどの葉物も、外側の葉っぱに枯れがあるのでこれらを取り除くのですが、その過程でだいぶ小さくなります。水菜は外側だけでなく、中にも枯れ葉が混ざっているのでなかなか厄介。くるくる回しながら目視で枯れ葉を取り除くので、調整にたいへん時間がかかる野菜です。ただ今年は例年よりも枯れ葉が少なく、大きめの葉物を出荷できています。

 また、いつもなら寒さでとうに枯れているチーマディラーパやブロッコリーの脇芽もとれ続けていています(これらは比較的調整はラクです)。ということで、今年は緑のものが多めに入る2月になりそうです。(友亮)

育苗ハウスで植え付けを待つ野菜たち。これはフェンネルの苗
育苗ハウスで植え付けを待つ野菜たち。これはフェンネルの苗