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みどりの通信 2023年10月号 虫の当たり年/にんにく麹のすすめ

 9月はお休みをいただき、どうもありがとうございました。

 8月の出荷が無事に終わり、もうそろそろ出てきてもいいからねとお腹の子に話しかけていたところ、こちらの空気を察してくれたのか、9月に入ってすぐに出てきてくれました。1か月お休みをいただいたのはもちろん、うまれる前から身体のことを気にかけてくださったり、励ましの言葉をいただいたり、近くから遠くからいろんなかたちでたくさんの方に支えていただき、とても心強かったです。おかげさまで母子ともに元気に過ごしております。

 

虫の当たり年

 ということで10月から元気にセット再開!…したかったのですが、そうは問屋が卸してくれませんでした。この秋は十数年に一度の虫の当たり年といいますか、畑のあちらこちらでおびただしい数の蛾の幼虫がうまれています(同じ「うまれる」でも、こちらはまったく喜ばしくないわけで)。

 ネットの目をかいくぐって入った幼虫たちは、植えたばかりのキャベツやカリフラワーや白菜の苗や、芽が出たばかりの大根などを食い荒らし、肥えふとり食い尽くしていきます。毎年この時期は多少なりとも虫の害があるので「虫見(むしみ)」といって植えたあとの野菜を見回り虫を探しては駆除する、という手作業を行なうのですが、今年は一度虫見をしても2、3日経つとまたやられているという始末。

 この害虫大発生はうちの畑だけではないようです。近隣の有機農家はもちろん、慣行農法でキャベツをつくっている人も「農薬何回ぶったってだめだよ」と話していました。雨が少なく虫たちにとってはよい天気が続いたことが一因なのでしょうか。ただでさえ草刈りや秋冬野菜の植え付けで忙しい季節、今年は友亮一人の作業なので、とてもではないですが虫たちの勢いに追いつきません。

 それに加えて夏の高温と干ばつで里芋がまったく育たなかったり、じゃがいもが貯蔵中に傷んでしまったりと災禍が重なり、この秋冬の野菜セットは例年どおりにはいかなそうです。申し訳ありませんが、香味野菜はものが無くなり次第、早めに終了となりそうです(また別途お知らせします)。

 1か月お休みをいただいたうえ、このような事態になりたいへん心苦しいのですが、何とぞご理解いただければ幸いです。また、今年は山芋も手が回らずつくれなかったので芋類が乏しい冬となりそうです。改めて農業で食べていくことの厳しさを痛感する秋です。

 

にんにく麹のすすめ

 秋はにんにくの芽が出てくる季節でもあります。芽が出始めると養分をとられて球根はスカスカ。うちではその前に皮をむいて冷凍保存するのが常でしたが、にんにくと塩、麹をあわせてつくる「にんにく麹」なるものを知ってからは、すっかりトリコに。一度つくっておけば長期保存でき、少しにんにくを使いたいとき、都度皮をむいたりすりおろす必要もなく、とっても便利。うまみが強く、調味料としても、魚や肉の下味にも、ドレッシングや炒め物にも使えます。

 10月は野菜セットの一品としてにんにくがちょこちょこ入る予定なので、よろしければお試しください(レシピは野菜に)。同じ要領でつくった「しょうが麹」もおすすめです。(照手)