· 

みどりの通信 2023年8月号 農家の自由研究/てるすことピー醤(ジャン)

農家の自由研究

 例年の7月は、30度前後の気温でほどほどに雨が降り、まあまあ暑いなあという感じなのですが、今年は雨が全然降らず、日中38℃なんて日ばかり。35℃の予報が出ると、「あー今日はちょっと涼しいね~」と、感覚がおかしくなっています。

 湿り気の好きなナス、ピーマン、キュウリ、オクラなどは例年に比べ、てきめんに収量が落ちています。また、11月に収穫するにんじんは7月下旬に種を播いたのですが、土がカラカラのため発芽しないものも(初めてのことです)。

 8月は年末~新年収穫のにんじん播種が続くので、これらがとれなかったら大変だ! ということで、簡易水やり装置をつくりました。下の図のように、軽トラの荷台に200リットル容量のタンクを置き、中を水で満たしたホースの一端をタンクに、一端をかん水チューブにつなぎます。理科で習った、サイフォンの原理を応用したもので、動力なしで水を汲み上げ、散水することができました。夏休みの自由研究みたいですね。(友亮)

 

てるすことピー醤(ジャン)

 8月、夏本番となる前に7月の暑さですっかりやられてしまっている我々ですが、そんなヘロヘロなときでもこれがあると元気が出る!という辛旨調味料をご紹介。

 一つ目は高知の布作家早川ユミさんに教えてもらった「てるすこ」(早川ユミ著『畑ごはんーちいさな種とつながる台所』にも掲載。レシピ本としても読み物としても面白いです)。うちの青ハラペーニョを使ったタバスコなので私の名前をとって「てるすこ」と呼ばれているのだとか。ハラペーニョの辛みと青い香り、玉ねぎやにんにくの旨みがぎゅっと詰まっていて、夏野菜料理にめちゃくちゃ合う&気分が上がるのです。トマトときゅうりのサラダにかければ、メキシカンな気分に。タコの刺身や白魚のムニエルに添えてもおいしい。トマトのパスタやピザトースト、ラタトゥイユ、タコスにと、このところなんにでもかけています。

 ピー醤は赤パプリカでつくるポルトガルの伝統的な調味料「マッサ」をうちでとれる赤いペッパー類(赤ハラペーニョや甘長とうがらし、ピーマン)で仕込んだもの。フルーティーかつ旨みと辛みがある万能調味料です。塩分濃度が高いので長持ちするのもいいところ。パスタや炒め物などに一年中使っています。

 友亮も私もピリッと辛いものが好きなのですが、小さな子どもがいるとなかなか料理そのものに入れられないので、好みで後からかけられるピー醤&てるすこが重宝します。この料理にはどっちが合うかな~と考えて使うのも楽しいです。

 香味野菜セットの方にはときどき入るハラペーニョですが、もし自分でもつくってみたいよという方がいましたら別途入れられますのでお知らせください。 (照手)

 

【てるすこ】

〈1〉青ハラペーニョ50~200g、にんにく2かけ、玉ねぎ1/4を刻む。

〈2〉酢1/2カップ、塩小さじ1/2、レモン汁大さじ2と〈1〉をミキサーなどにかけて攪拌する。1週間ほどおくと味がなじんでよりおいしくなる。

 

【ピー醤】

〈1〉赤ハラペーニョ(赤甘長とうがらしや赤ピーマンを混ぜるとマイルドな味に)の種とヘタをとる。重さをはかり、20%の塩をまぶして保存袋に入れて1週間以上漬ける。

〈2〉ザルに上げて水けをざっと切り、ミキサーなどでペースト状にする。瓶に隙間なく詰めて上に少量のオリーブオイルをかけて蓋をする。