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みどりの通信 2023年5月号 サラダの春/脱春化の話(パート2)

サラダの春

 サラダが一番おいしい季節はいつか? と聞かれたら、「いま!」と答えます。寒すぎる冬も暑すぎる夏にもあまり箸が伸びませんが、ぽかぽかとあたたかく、少し暑い日も増えてきた今日この頃、そしてはしりの野菜がもりもり出てきているいま、心身ともにみどりを求めているのか、サラダがとってもおいしいです(秋も同じようなことを思いそうですが)。

 レタスに、塩ゆでしたカリフラワーやブロッコリー、さやえんどう、新玉ねぎのスライス(面倒なので水にさらさずそのまま)に新にんにくのすりおろし、あればディルやフェンネルなどの香草を刻み、ツナを入れ、オリーブオイルと塩と酢をかけて手でざっとあえたものをむしゃむしゃわっしわっしと食べるのが至福です。

 ただ一点困るのが、サラダだけで食事が完結しないこと。朝ごはんは大抵、ご飯・味噌汁・納豆or目玉焼きのわが家。ここにサラダをプラスする気にはならず(手間的にも味のバランス的にも)、これだけで一食を完結させるのも難しく、他にもなんやかんやとおかずや炭水化物を要するわけです。

 そこで最近つくっているのが、サラダ+炭水化物のサラダ麺。サラダとゆで上げたパスタ、または中華麺を和えて一食に。ささっとできる麺料理が多い昼食につくったら、ちょうどよく、少し洒落た感じ?になりました。ポイントはサラダを少し濃いめに味つけること、麺にからみやすいようにレタスなどのサラダの具をせん切りにすることくらい。中華麺に和えるときはゆで卵をのせ、オリーブオイルをごま油に変えて、ねりごまと砂糖を少し入れたら大層おいしかったです。これ、なんか食べたことある…と思ったら大昔に食べたセブンイレブンのラーメンサラダ(今もあるのかな)の味でした。(照手)

 

脱春化の話(パート2)

 初夏、次々とあたらしい野菜が出てきますが、朝食の味噌汁と納豆にはいつの季節もねぎを入れたい私です。ところが4月下旬から、ねぎがだんだんとれなくなります。冬越ししたねぎは子孫を残すため、花芽(ねぎ坊主)に養分を送り、葉やサヤがかたくなってしまうのです。なんとかしてこの時期にやわらかいねぎをつくれないかな…と考えていたところ、去年の10月、保育園のパパ友(ねぎ専業農家)と立ちネギ話に。

 「春扇(ねぎの品種)を冬のあいだトンネル密閉して育てれば、脱春化(花芽分化の打ち消し)できるから、やわらかくておいしいのが5月にとれるよ!」と教えてもらいました。

 さっそく帰ってから畑の準備をして種まき。冬、トンネルの中で爪楊枝のように細い苗が生え、その苗がエンピツくらいの太さになった頃、春を迎えました。トンネルを剥がし、雨をもらうとぐんぐん生育。追肥&土寄せをして軟白部が確保できました。4月下旬に試し掘りして試食したところ、とう立ちがなくやわらかく仕上がっていました。うれしいのは青い葉の部分もフレッシュでやわらかいこと。これをせん切りして油で炒め、卵でとじる卵焼きが大変美味で、5月にネギを満喫できる幸せを感じています。

 …ということで先月に続き、脱春化のマニアックな話でした。(友亮)