今年、菜園みどりのは5年目を迎えます。私も照手も百姓仕事が大好きで、こんなに好きなことを仕事として続けられるのは、ひとえにみなさまのおかげです。本当にありがとうございます。
宅急便のお客さんの中にはまだお会いできていない方もいますが、振り込み用紙に書き添えてあるメッセージやメールでいただく感想などからお人柄を想像しつつ、「ビーツが美味しかったと言っていたから今回も入れよう」「○○さん、去年はごぼうがなくてがっかりしていたから、初物をなるはやで入れよう!」という感じでセットを組んでいます。
1月、寄居町は最低気温がマイナス5℃前後の日が続き、さらに赤城山からのからっ風が吹きすさぶ極寒の地となります。そんな寒さに耐え忍んだキャベツ、にんじん、白菜、ねぎ、大根、タアサイ、ほうれん草たちは一年で一番甘くなります。
手の込んだ料理をつくらなくても、さっとゆでたり蒸したりするだけでおいしい野菜を今年もつくっていきたいと思っております。本年もよろしくお願いいたします。(友亮)
正月料理を食べながら
毎年、お正月は暮れにたっぷりつくったおせちをつつきながら、昨年を振り返ったり、今年を展望するのが常になっています。
煮しめであれば、金時にんじんが甘いね、里芋もよくできてよかったね、お母さんの手づくりこんにゃくおいしいね、うちでもいつかこんにゃく芋育てたいね、レンコンはここでつくるのは難しいかな、たけのこは春にたくさん水煮にしておけばよかったね…という感じ。黒豆もおいしく炊けて、今度は自分たちでも少し育ててみたいね…と食欲と栽培欲?がセットになってとどまるところを知りません。
おせちのレシピも毎回いろいろ試すのですが、今回はなるべく動物性の材料を使わずにつくってみました。雑煮の味つけは炒り大豆と昆布と椎茸の精進だしつゆで。昆布巻きはニシンではなくごぼうを巻いて。肉好きな子どものため煮しめに鶏肉を少し入れましたが、それ以外ほとんど肉は使わず。その代わり、車麩とごぼうの酢豚風をつくったり、なますにラッカセイを入れてコクを出したり。これがどれもとってもおいしくて、料理するのも食べるのも気持ちがよかった。
わざわざこんなことをしたのは、気候危機の原因の一つとして工業型畜産が挙げられていたからです。私たちが日々手軽に肉を食べられるようにするために地球の陸地の1/4が使われていること、森林が破壊されたり水質が汚染されたりしていること、家畜による温室効果ガス排出量は世界全体の約14%を占めることなどを改めて知り、なるべくプラントベース(植物由来)の食生活にしたいなと思ったのでした。
奇しくも?我々は野菜屋さん。動物性のものに頼らずとも自分で育てた野菜で満足できるならそれに越したことはありません。プラントベースでも魅力的な料理がたくさんあり(*)、こうした料理に出会ったこともモチベーションの一つになっています。
地球温暖化による気候危機やゴミ問題、畜産や海洋問題など、私たちの暮らす地球の問題は山積みで、その問題の大きさを知れば知るほど無力感も覚えますが、普段の暮らしのなかでできることを少しずつ実践していきたいと思ったお正月でした。
*白崎裕子さんの『にっぽんのパンと畑のスープ』『にっぽんの麺と太陽のごはん』『料理とおやつ』はずっと愛読しているレシピ本。最近読んだ室田 HAAS 万央里さんの『パリの菜食生活‐ふだんづかいのヴィーガン・レシピ』も多国籍な料理がいっぱいで楽しい&おいしい。今回つくった精進だしつゆも室田さんレシピ。残った大豆や昆布でつくった炊き込みご飯がこれまた美味でした。
●お知らせ
昨年もお知らせを入れさせていただきましたが、経費の値上がりに伴い、今年1月より野菜セットの値段を1割値上げさせていただきます。
また、3月13日~31日まで、端境期のため野菜セットをお休みさせていただきます。何とぞよろしくお願いいたします。