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みどりの通信 2022年10月号 いい里芋がとれました/帰ってきた虫たち

いい里芋がとれました 

 菜園みどりのをはじめて4年、今までで一番おいしい里芋が収穫できました。

 今年は梅雨明け後も雨が多く、トマトは葉カビ病で減収したり、キャベツは黒腐病でほとんどとれなかったりと苦労が多かったのですが、湿り気の好きな里芋にとってはベストな陽気だったようです。

 土寄せ&追肥を繰り返して大きく育った葉っぱは身の丈2m以上あり、夏場の強い日差しを遮ってくれるオアシスでもありました。日かげの少ない畑の中で、作業に疲れたら葉っぱの下に隠れ、お茶を飲んで、おせんべいを食べることも。しかしながら収穫は、そんなお世話になった葉っぱを根元から切り落としてからはじめます。葉っぱが無くなってすっきりしたウネの土を鍬(くわ)でちょっとずつ崩し、なんとなく芋の全体像が見えてきたら鍬をエイヤ!と振り下ろし、テコの原理で力いっぱい掘り上げます。

 ゴロンと転がる芋の塊のなか、い~い形の子芋があると、うれしくて思わず頬がゆるみます。半日天日で乾かし、芋についた土を手で払い落してから出荷しています。土つきのほうが鮮度が長持ちするからです。ちなみに最適貯蔵温度は10~20℃前後なので、常温保存がおすすめです。(友亮)

 

帰ってきた虫たち

 気温がぐっと下がり、気持ちのいい秋晴れ。日中過ごしやすくなったなあとにこにこしていると、それは虫たちにとっても同じこと。植えたばかりの苗に来るわ来るわ、出るわ出るわ、コナガやハスモンヨトウ、ネキリムシやコガネムシの幼虫たちがぞろぞろっと。今年も彼らの季節がやってきました。

 キャベツやブロッコリー、カリフラワーなど私たちが食べやすいように改良されてきた野菜たちは、そのへんの草に比べてアクもなくやわらかく虫にとっても最高のごちそう。

 きゃっきゃうふふと日々すくすく成長する彼らを、目を血走らせながら追いかけます。植えたばかりのやわやわの時期に新芽を食べられてしまうと、もうそれ以上大きくなれなくなってしまうので、こちらも必死です。虫の食いあとやフンを見れば葉の裏をめくり、茎がポキっと折れていれば土をガサゴソして犯人を捜し回り…。見逃したり、見回る時期が少しでも遅れると手遅れになることも。日々あっちを見、こっちを見して、見つけ次第やっつけつつ、虫たちの人生(虫生?)についてもたまに思いを巡らせています。

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 野菜セット価格改定のお知らせを同封させてもらいました。何もかもが値上がりするなか、多くの人たちの賃金はそこまで増えていない状況で、毎日食べる野菜の値段を上げていいものか、とっても悩みましたが、自分たちがこれからも営農を続けていくにはやむなし、という結論になりました。

 値があがるぶん、より野菜の質をあげられるように技術を磨き、喜んでもらえるようなセットにしていきたいです。(照手)

たくさん雨をもらってよく育った里芋の葉(8月初旬)
たくさん雨をもらってよく育った里芋の葉(8月初旬)