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みどりの通信 2021年12月号 「ごはんをつくるように 服をつくろう」

 

 2021年も残すところあとわずかとなりました。

 今年は台風の上陸こそなかったものの、8月の長雨や10~11月の温暖な気候の影響で病害虫が多発。秋どりのキャベツ、カリフラワーやレタス、冬どりニンジンなど、例年なら定番で入る野菜が入れられず、温暖化や雨量の増加といった環境の変化を身をもって体感しました。毎回が理想のセットとはならず、あるものをかき集めてつくることもありましたが、それでも変わらぬお付き合いをいただき、本当にありがとうございました。

 不足するだろう野菜をカバーすべく作付けや種まきに奔走した夏秋。お客様への対応や配送など照手に任せきりになり、私は畑にべったり張りつく日々が、去年・一昨年よりも多かったです。お客様との触れ合いがないなか、払込票に書かれたメッセージや出荷場に置かれているメモ、SNSのコメントなど、様々な形で野菜の感想をいただきました。そういった声に元気づけられて、なんとかかんとか一年を乗り越えられました。重ねて御礼申し上げます。

 「料理メモをノートに貼り付けています」、「高校生の息子が知らぬ間に、料理メモを見てエンサイ炒めをつくっていました」という方もいて、思わず頬がゆるみました。料理メモは、仕事で忙しいさなか、レシピ本やクックパッドを見て献立を考えるのがおっくうだった、会社員時代の自分たちの経験からしつこく貼りつけているものです。毎度料理メモをつけるのはひと手間ではありますが、そういう声を聞くと、やめるわけにはいかないなあ、今後も少しでも役立つメモを増やしていきたいなあと思います。来年もどうぞ、よろしくお願いいたします。(友亮)

 

●「ごはんをつくるように 服をつくろう」

 畑の話からずれますが、私が出版社に勤めていた頃から編集を担当していた早川ユミさんの連載が本になったので紹介させてください。

『種まきびとのちくちくしごとー野良シャツ、柿渋染めエプロン、子ども服(農文協)』  

 著者の早川ユミさんは、高知の山のてっぺんで自給的な暮らしをしながら、アジアの手織りの布や山岳少数民族の布、草木染の布てで衣服をつくっている方です。 

 服つくりというと難しそう、たいへんそうというイメージですが(私もずっとそうでした)、ユミさんは「きっちり、かっちりとしなくても、だいたいで大丈夫」「子どもの工作のような感覚てで自由にちくちく」していいんだよといいます。普通の洋裁とは違って、ロックミシンや型紙がなくても大丈夫。複雑に布を切る必要がなく、直線縫いがほとんどで、簡単に動きやすく着心地のよい服ができます。 

 そんなユミさんの服つくりを間近で見るうち、私もやってみたい!と思うように。裁縫というと高校の家庭科でやった記憶がぼんやりあるくらいだったのが、この4年のうちにもんぺやエプロン、開襟シャツ、カレン族のシャツ、子ども服をつくり…。すっかりはまっていました。今では自分のつくったもんぺやシャツ、エプロンは野良仕事になくてはならないものになっています。 

 手を動かせば、あれもこれも、自分に必要な服や道具がつくれる。自分が毎日食べるものをつくりたいという思いで農家になりましたが、おなじように、少々へたっぴでも着るものが自給できるのはとってもうれしいことでした。昔はどこの家でもちょっとした繕いものをしたり、子どもや自分の服をつくったりすることは、毎日のごはんづくりと同じように自然なことだったと思います。

 オールカラー、解説の写真つきで裁縫初心者の私でも簡単につくれるようなものばかりです。よろしければ見てみてください。(照手)