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みどりの通信 2021年10月号 虫肥ゆる秋/ハウスを建てます

虫肥ゆる秋

 秋冬野菜の植えつけがひと段落し、ものが少ない端境期もなんとか過ぎて、おだやかな秋がやってきました。

 ……と言いたいところですが、過ごしやすい気候になったからか、害虫たちが畑で大暴れ。植えたばかりのキャベツや白菜にとりつき、あっちでむしゃむしゃ、こっちでむしゃむしゃとやっています。防虫ネットをかけているのに土の中に卵があったのか、苗についていたのか、どこからともなくやってくるのです。

 よく見かけるのは、ヨトウガやコナガなどのガの幼虫。加えて今年はコガネムシにもよく出くわします。クモやカエル、アシナガバチなど、彼らにとっての天敵(我々にとっての益虫)もいますが、なかなか全部食べてはくれず…。

 野菜たちを守るべく、我々ができるのはただ一つ。日々の畑のパトロール&捕殺です。このあたりの有機農家はこれを「虫見(むしみ)」と呼びます。「今日の午前中は虫見で終わっちゃった」みたいな感じです。葉の裏に隠れていたり、葉や土と同じ色で見えにくかったりとなかなかすぐには見つけられませんが、目が慣れてくると、「きのこ目」(きのこ採りの人がどんどんきのこを見つけられるようになること)ならぬ「虫目」になってきて、新しい食いあとやフンを目印にどんどん虫を発見してはつぶしていく、そんな作業に気づくと快感や達成感をおぼえるようになってくるので人間ってちょっとコワイですね。 (照手)

 

ハウスを建てます

 菜園みどりのでは、4月~翌2月までの11カ月間、野菜セットをお届けしています。3月は冬野菜が花をつけ、春野菜はまだまだ小さい端境期。この時期にセットをつくるとなると厳寒期でも保温効果の高い温室ハウスが必須ですが、みどりのでは育苗用以外のハウスがありません。材料費だけで40~50万円と気軽に買えるものではないですが、ハウスがあれば、3月どりのレタスや小松菜、ニンジンなどがつくれるし、露地では難しい大玉トマトも栽培可能です。いつかはほしいなあ…と思っていたところ、地域の農家から「ハウスを2棟使わないか?」と声をかけてもらいました。

 建っているハウスのフィルムを剥がし、骨組みから分解し、自分たちの畑に移設するので手間はかかりますが、ただでいただけるのはたいへんありがたい話です。

 農閑期の冬の間にちょっとずつ作業して、来年の春以降使えるようにしたいと思っています。なお、冬の間にハウスが建っても来年の3月にとれる野菜を作付けるのには間に合いません。なので、すみませんが来年も3月はお休みさせていただきます(早めにハウスが建てば、干しいもには使えるかもしれません)。(友亮)