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みどりの通信 2021年9月号 長雨の影響/「やるなら今しかねぇ」

長雨の影響

 寄居町の8月は、ほとんど雨が降らずピーカン照りという状況がここ数年続いていましたが、今年は予想外の長雨と低温です。みどりのでは端境期の9〜10月にとれるよう、カリフラワーやキャベツ育てているのですが、長雨による過湿で病害が多発。日一日と枯れる姿を見ながら、なすすべもありません…。

 きゅうり、オクラ、ササゲなどの夏野菜も、日照不足で収量が激減。いつも以上に厳しい端境期になりそうです。

 そんな状況なので、9月の野菜セットは、いも類、かぼちゃ、玉ねぎ、ニンニクなどの貯蔵野菜が多くなる予定です。また、切り干し大根や乾燥唐辛子など、加工品も入ります。緑のものが少くなってしまうのですが、ご理解いただければ幸いです。    (友亮)

 

「やるなら今しかねぇ」

 毎年どこかしらで大雨による土砂災害や水害が起こっています。100年に一度、とかではなく、恒例のようになってしまっているのが恐ろしいです。8月10日の朝日新聞に、気候変動について以下のようなIPCC*の報告書の記事がありました。

 温暖化によって10年に一度の豪雨が起こる可能性は(産業革命前に比べて)1・3倍になっており、今後20年間で1・5度平均気温が上昇すると(もっと上昇してしまう可能性もある)さらに1・5倍に。干ばつや熱波が起こる可能性はそれぞれ2・0倍、8・6倍にもなるとのこと。「人間の活動が気候変動を引き起こし、極端な気象現象を起こりやすく、激しくしていることは議論の余地がない」。

 最近はこうした環境の変化に加えて、自分たちの未熟さ、子どもの急な発熱や引き受けている編集仕事が立て込んで畑に出られていない焦りも手伝い、どうしたものかと途方に暮れることしばし…。

 ですが、一心不乱に草をむしって体を動かしていたら、気候も子どもの体調もコントロールできないものはしようがない、できるときにやれることを精一杯やるしかないなと一周まわって開き直りの境地に。わけもわからず豊作になるよりも、不作でもその失敗から学べることがあるならそちらのほうが次につながるのでは、とも思えてきました(もちろん豊作かつ学びがあるほうがよいのですが)。気づくと畑で黒板五郎さんのように拳をふって「やるなら今しかねぇ」とつぶやいていました。

 とはいえ、この気候変動のなか、今の自分たちの栽培方法でやっていくだけでは続かないかもしれないとも考えています。なるたけ地球に負荷をかけない方法で、かつ、自分たちもなんとか生きていけるように、いろいろな人の知恵や力を借りながら模索していきたいです。今できることを粛々と進めつつ、新たな糸口や展望が見えてきたときにはアナウンスをさせてください。 (照手)

 

*国連の気候変動に関する政府間パネル。