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みどりの通信 2021年6月号 グリーンピース劇場/じゃがいもには塩辛

グリーンピース劇場

――朝、さやえんどう畑にて。

照手 「ふぁーあ(欠伸をしながら収穫をはじめる)」

さやえんどうのさや 「おい、おい、そこの、なんで素通りしていくんだい!俺のこと見落としてるぜ!」

照手 「(振り向いて)昨日はたしかに見落としちゃったけど、今日とらなかったのはわざとだよ」

さや 「なんだって? そりゃ一体どういうことだい?」

照手 「昨日の君はよかったけど、今日の君はもうさやを食べるには大きくなりすぎちゃったんだよ。だからもう少しそこにいて。中の豆が大きくなったらグリーンピースとして収穫するから」

さや 「ええっ! グリーンピース? そりゃ困るよ。グリーンピースになったら俺だけ生ごみになっちゃうんだぜ! まだ俺甘いよ、サクサクよ? とっていってくれよ~。そうだ! お前もさっきから黙ってないでなんか言ってやってくれよ!」

さやえんどうの豆 「(涼しい顔で)あら、私は全然構わないわよ」

さや 「な、なんだって? おい、お豆! 雨の日も風の日も、俺がいっつも守ってやったの忘れたのか?」

豆 「忘れてないわ、感謝してる。でも、さやつきで食べるより、グリーンピースのほうが、私の良さがよくわかるでしょ」

さや 「なんて薄情豆なんだ……(がっくりと肩を落とす)」

              終

*そんなこんなで、さやえんどうを太らせたグリーンピースが6月頭のセットに少し入れられそうです。入っていた方は、裏切られても最後まで豆を守り抜いたさやの雄姿を見てやってください。 (照手)

 

じゃがいもには塩辛

 故郷の函館では、ゆでたじゃがいもがさいさい食卓にのぼります。土曜日、午前授業の帰り道に家々の換気扇からじゃがいもをゆでるにおいがブオーっと放出されていました。昼ご飯はゆでたじゃがいも。そんな家が多かったのか、「土曜日の堀川町はじゃがいもくさいなあ」と思った記憶があります。

 食べ方はいたってシンプル。熱々のいもを箸で割ってバターを落とし、その上にたっぷりのイカの塩辛を乗せる。じゃがいもの甘みと、塩辛のしょっぱみがたまりません。コリコリした食感も最高です。

 菜園みどりののじゃがいもはというと、去年は霜害のため不作でしたが、今年はたくさんとれそうなので、セットにたびたび入れられそうです。今シーズン栽培したじゃがいもについて紹介します。

 

●ホクホク系(粉質)

・キタアカリ…じゃがいも特有のエグみがなく、さつまいものような香りのする品種です。初夏~夏頃のセットに入ります。

・アンデスレッド…うま味、甘みが強く、じゃがいも特有のワイルドな香り。初夏~秋に入ります。

 

●しっとり系(粘質)

・メークイン…甘みが強く、滑らかな食感。新じゃがでもおいしいですが、冷蔵貯蔵すると甘みがさらにアップ。夏~秋に入る予定。

・ジョアンナ…フランスで人気の品種。甘みとうま味に加え、大地の香りがします。夏~冬に入ります。

 

●ホクホクしっとり系(中間)

・シンシア…長期貯蔵ができる品種で、貯蔵期間中に糖度がぐんぐん上がるので、年を越したころにとてもおいしく仕上がります。冬~厳寒期はこれを「熟成いも」として出荷します。(友亮)