· 

みどりの通信 2021年1月号 厳寒期の寄居町/正月料理を食べながら

 厳寒期の寄居町は、マイナス8度近くまで冷え込みます。寒さが厳しくなってくると、地べたに葉っぱを広げる、ロゼット化した野菜が畑に見られます。これは、北風に当たる面積を減らしたり、少ない日差しをちょっとでも多く浴びられるようにするための植物の知恵だそうです。他にも水分の摂取を控え、体内に糖分をためて体が凍るのを防ぐという知恵もあります。このため、ホウレン草や小松菜は、1~2月、糖度がとても高くなります。

 いっぽう私たちはというと、コタツの中でロゼット化して、黒豆やみかんやアイスを食べながら、「北の国から」のDVDを見たりして正月を過ごしていました。野菜たちは甘くなって寒さをしのぎますが、人間たちはたまに自分を甘やかすことで、寒い中でも野良仕事が頑張れるわけであって…。

 …こんな私たちですが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。(友亮)

 

●正月料理を食べながら

 「今年は無事に年を越せるだろうか」。小さい頃、年末になると両親」。小さい頃、年末になると両親がよくそんなことを言っていした。それを聞くたび、何もしなくても正月は来るのに何を言っているんだろう、傘地蔵のおじいさんとおばあさんでもあるまいし…と不思議に思っていました。

 けれど親と同じように自営で農業をはじめてみると、いろいろな人やものに助けられながらなんとかかんとか生きているという感じで、一年を無事に終えて新しい年を迎えられることのありがたさが身に染みるようになりました。例年何かしら起こる自然災害に、昨年は新型コロナが加わり、その思いはいや増すばかり。三が日は自分たちでこしらえたおせちや雑煮を食べながらしみじみとしてしまいました。

 一品一品を味わいながら、これはうちの里芋だ、ごぼうだ…と去年育てた野菜たちを振り返れたのもよかったです。自給が基本だった昔の人たちは、きっと今のようになんでも買ってくることができなかっただろうから、自分で育てた作物の総結集としておせち料理をつくっていたのかもしません。正月料理の風習をなぞりながらそんなことも考えました。(照手)

 

*おせちも雑煮もレシピはかなり適当でしたが、どれも割とおいしくできました。なかでも出色だったのが以下の2品。忘備録として書いておきます。

 

《たたきごぼうのくるみ味噌和え》

 東京・西荻窪の名店「のらぼう」の店主がinstagramで紹介していた料理です。

 ごぼうはすりこぎなどで軽くたたいてから縦に半分か4等分にし、長さ4㎝に切ります。その後酢水に放って色止めし、2分ほどゆでてザルにとって水けを切ります。その間に炒りごまをすり鉢ですり、醤油、煮切りみりん、酢を加えて混ぜます。ここにごぼう、白味噌(うちにはなかったので味噌+甘酒にしました)、みじん切りにしたくるみを入れ、全体を和えて完成です。

 

《ひき菜入り雑煮》

 雑煮は地域によって入れる具材も味つけもだしもさまざま。宮城県では「ひき菜雑煮」といって、大根、にんじん、ごぼうをせん切りにし、さっとゆでて水けをきり、ザルなどに干した「ひき菜」を入れるのが特徴です。年末に戸外で干したひき菜は寒さで凍り、しなやかな食感になります。

 うちでは今年、かつおと昆布のだしに、このひき菜と焼きもち、油揚げと鶏肉、青菜を入れた雑煮をつくりました。ひき菜はたくさんつくっておくと、正月の間ずっと使え、雑煮をつくるたび野菜を切らなくてよいのがとっても便利でした。 

※参考:『伝え継ぐ 日本の家庭料理 年取りと正月の料理』(農文協)