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みどりの通信 2020年11月 野良で考える プラスチックごみ問題/菌は働きもの

●野良で考える プラスチックごみ問題

 さいきん、プラスチックごみの問題についてよく耳にするようになりました。

 安価で便利なプラスチック製品が普及し、大量生産&大量消費されるようになったのはいまに始まったことではありませんが、鼻にストローがささったウミガメや胃の中に大量のプラスチックが入ったクジラなど、衝撃的なイメージが拡散したこともあってか、近年、世界各国で脱プラスチックのうねりが広がっています。

 もともと土に還らないものを使い捨てていく暮らしには違和感があり、プラスチックに対しても良いイメージは持っていませんでしたが、リサイクルされていると思っていたプラスチックのほとんどが埋め立て処分や海洋投棄されていたこと、プラスチックが紫外線や波によって劣化し、細かな破片となって生態系に影響を与えていること(いわゆる「マイクロ・プラスチック問題」)、プラスチックに添加されている化学物質の問題について知るにつけ、いよいよ忌避すべきものに思えてきました。

 とはいえ、普通に生活をしているとプラスチックを避けて暮らすのは至難の業。農業ではなおさらで、なるべく環境に負荷をかけないようにと農薬や化学肥料を使わず、稲わらや麦わら、モミガラや落ち葉など地域の資源をできるだけ利用していましたが、ビニールハウスやビニールトンネル、育苗用のポリポットやコンテナ、マルチフィルム、包装用のボードン袋など、たくさんのプラスチック資材にも頼っているのが現状です。

 これらの資材を使わないとなると、今のように通年で6~8種の野菜を詰め合わせたセットを送るのは難しく、今以上に栽培に手がかかるため、できた野菜はとても高級なものになってしまいます。

 なので、いきなりすべてのプラスチック資材を使わない農業に切り替えるということはできませんが、環境への負荷と、コストや手間、野菜セットの満足度などいろいろなことを天秤にかけながら、減らせるプラスチック資材はないか、細かなことでも検討していきたいと考えています。

 目下、変えようと思っているのが包装の方法です。今、野菜を包むのには、中身がよく見えて野菜の鮮度も保てるボードン(防曇)袋を利用していますが、芋や根菜、冬の結球野菜については古新聞紙や紙袋の包装に変えていくつもりです。葉物やレタスなど、しおれやすい野菜は今後もボードン袋を使う予定ですが、もし「しおれていてもいいからプラスチックを使わない包装にしてほしい」という方がいましたら「プラスチックフリー便」としてすべて古新聞紙の包装でお届けしますのでお知らせください。

 ほかにもビニールテープを紙テープに変えたり、新品ではなく中古の段ボールを購入して使ったりとマイナーチェンジをしているところです。今後もできることをいろいろ模索していくつもりなので皆さまにもご助言いただけるとありがたいです。どうぞよろしくお願いいたします。(照手)

 

◎暮らしのなかでプラごみを減らすためのさまざまな工夫やアイデアが生まれています。個人的には高知在住の翻訳家・文筆家の服部雄一郎さんが発信するブログ「サステイナブルに暮らしたい」や、プラスチックフリーを実践する主婦・古賀陽子さんのWEBサイト「プラなし生活」が面白く、とても参考になっています。気になる方はチェックしてみてください。

 

●菌は働きもの

 先日、夏のあいだ畑に敷いていた麦わらをトラクタでうない込みました。土中には、乳酸菌、酵母菌、納豆菌、きのこ菌などが棲みついていて、彼らが麦わらを食べる(分解する)ことで土が肥えていきます。菌は目に見えないので、「ちゃんと分解されてるのかな?」と不安になりますが、徐々に土が肥えてフカフカになってくる畑をみているとうれしくなります。そんな菌たちの働きにも支えられて、菜園みどりのの野菜はできています。(友亮)