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みどりの通信 2020年10月号 味噌汁に思う/秋のお楽しみ

 

●味噌汁に思う

 先日、何気なくすすったかぶの味噌汁がたいそうおいしくて、ああ秋が来たのだなと思いました。

 年じゅう飲んでいる味噌汁ですが、その真価が発揮されるのは涼しくなってきてからのような気がします。

 だしを煮立てて野菜やあぶらげ、豆腐をどぼん。最後に味噌を溶いてできあがり。毎回入れる具材は違うのに、何を入れても味噌汁になって、しみじみおいしく、おなかをぽかぽかあたためてくれる。夏場は気づいたら胃の中に吸い込まれていることが多かったですが、そのありがたみを改めて噛みしめている今日この頃です。

 適当につくっても及第点をとれるよう、なんとなく味噌汁つくりの型を決めています。これまでいろいろ変遷ありましたが、いまはこんな感じに落ち着きました。

 だしは濃縮煮干しだしと昆布水。

 スクリュータイプの保存容器に水と、頭とハラワタをとった煮干し10〜15尾ほどを入れて一晩くらい置いておきます。翌日そのまま鍋に入れて弱火〜中火で煮出し、濃縮だしをとります(急ぐときは一晩置かずにそのまま加熱)。

 昆布水は別の保存容器に昆布と水を入れてやはり一晩置きます。

 朝起きたらこの煮干しだしと昆布水、水を1:1:1くらいで鍋に入れて煮立て、そこに具材を入れ、味噌を入れてできあがりです(煮干しだしと昆布水は一度にたくさんつくっておくと何日か使えるし、煮物や麺つゆをつくるときにも重宝します)。

 何もかも目分量なので味の揺らぎはありますが、海のもののだしと季節の野菜、味噌があれば、だいたいおいしい。朝ごはんはこれにご飯とぬか漬け、納豆か目玉焼き、おひたしなどがあればつけるだけ。決まった型があると楽ちんだし安心です。

 味噌は、今は実家で一緒に仕込んだものを分けてもらっていますが、いつか自分たちで育てた大豆から手前味噌をつくりたいと思っています。(照手)

 

●秋のお楽しみ

 サツマイモ、里芋、ラッカセイ、ゴボウなど、春播きの野菜たちがだんだんとれるようになってきました。なかでもサツマイモとラッカセイは、初秋と晩秋で異なる味わいが楽しめます。

 菜園みどりのでは、サツマイモは紅はるかという品種をつくっています。熟成させることで糖度が上がり、ねっとりとした舌ざわりになります。焼き芋にすると、まるでスイートポテトのような味わいです。短期貯蔵だと、ほどよい甘みとホクホクした食感。サツマイモの天ぷらやポテトサラダにすると最高! 焼き芋にしてもこれはこれでおいしいです。

 ラッカセイは11月になると、殻の硬い完熟豆になります。9月、10月のうちはまだ豆が未熟でやわらかいため、塩ゆでで楽しみます。未熟な豆にも大小ありますが、私の大好物は、皮ごと食べられる小さな「ふにゃふにゃ豆」。これで呑むのが秋の至福です。

 ゆでラッカセイが余ったら殻をむいて豆をとり出し、翌朝ご飯を炊くときに入れると、ラッカセイご飯のできあがり。これと味噌汁、めざしだけでも幸せな朝ごはんです。軽くにぎってごま塩をふりかけたおにぎりがあれば、お昼まで幸せです。(友亮)