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みどりの通信 2020年2月号 カブト土のパワー

 

●カブト土のパワー

 セットが再開する4月に野菜がとれるよう、12月上旬から苗を仕立てています。野菜づくりは

「苗半作」と言われ、作柄の半分が苗づくりで決まるほど大事な仕事です。そして苗の良し悪しを決めるのは培土(苗用の土)です。培土づくりは一年がかり。冬に落ち葉を山盛り積み、それを虫や微生物が分解して土となっていきます。中でもカブトムシの幼虫が落ち葉を食べて出たうんち(カブト土)は、最高の培土。カブトムシのフンには抗菌性タンパク質(カブトムシディフェンシン)が含まれていて、それが苗に病気やカビを寄せ付けず、加えて生育促進効果があるといわれています。(※)

 しかしながら昨シーズン、畑を始めたばかりのわれわれには、カブト土がありません。なので市販の有機培土を使っていました。

 そこそこに納得のいく姿の苗でも、カブト土を使っている師匠の苗と比べると、葉っぱの大きさ、根の活力が全然違う。同じ日にレタスを植えても、師匠のほうが早く収穫。苗づくりの大切さを痛感した一年でした。

 そして去年の12月、積み上げた落ち葉を掘り返してみると、ゴロンゴロンとカブトの幼虫。しかも、こぶし大の巨大カブトで、カブト土もたんまりありました! 今カブト土でレタス、キャベツ、白菜などの苗をつくっていますが、葉っぱも大きく、根も元気。いい苗ができています。4月、みなさんにお届けするのが楽しみです。(友亮)

(※)山形県農業総合研究センターの森岡幹夫氏の研究成果より。