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みどりの通信 2019年12月号 年の終わりに/台風と三浦大根

 

●年の終わりに

 菜園みどりので野菜セットをつくりはじめて約半年が経ちました。技術や経験はまだまだ乏しい、ひよっこな私たちですが、なんとかかんとか続けられたのは、ひとえに皆さまのおかげです。毎月少しずつですが、セットのお客さまも増えていて、ありがたいかぎりです。

 農業をはじめてしみじみ感じたのは、野菜が収穫できるのは、畑があって(畑を貸してくれる人がいて)、太陽が出て、雨がときどき降ってくれるおかげだということ。そして何より、野菜のタネ自身に、大きくなっていくための力が備わっているからだということ。湿った土にタネをまいてしばらくすると、芽が出て、気づくとタネより大きな苗ができているというのは、考えてみるとすごいことです。

 私たち農家は、タネや土や自然のエネルギーがうまく働いて生長がつつがなく進むよう、サポートするだけ(だけ、といってもその見極めや塩梅が難しいのですが…)。そして野菜がおいしく育ったときにきちんと届けられるようにすることが目下の使命です。まだまだ至らないこともあるかと思いますが、「直販」というスタイルを活かして、率直なご意見をいただきながら、より良いセットをつくっていきたいと思っております。来年もどうぞよろしくお願いします。

 

●台風と三浦大根

 寄居町に記録的な大雨をもたらした台風19号。2カ月も前のことですが、その影響はいまだに尾を引いています。雨による湿害で、キャベツ、カリフラワー、ブロッコリーの生育が遅れているのですが、いちばんえらいこっちゃなのが大根です。

 今年、冬大根は、三浦大根を作付けました。甘みが強く、やわらかいのに煮崩れしにくいのが特徴で、ブリ大根やおでんにすると最高にうまいのです。しかしながら今シーズン、大雨を吸った大根が急激に太って表皮が割け、そのまま育った裂根大根がほとんどとなってしまいました。割けている部分を取り除き、生食や煮物で試作してみたところ、味はバツグン。そのため皆様にお出ししたいのですが、見た目が悪いものも混ざってしまうかもしれません。皮を厚めに剥いたり、裂根部分を取り除いたりなど、お手間をかけさせてしまうのですが、どうかご容赦ください。(友亮)