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みどりの通信 2019年7月号 こんなこと考えています/セットと一緒に畑のことを/畑のようす

●こんなこと考えています

 菜園みどりのは、私、池田友亮(ゆうすけ)と、妻の照手(てるて)で営む菜園です。種まきしてから出荷するまで、農薬・化学肥料を使わずに育てた野菜(※1)をセットにして定期的にお届けしています。

 私は3年前まで、東京の農業系出版社で雑誌編集の仕事をしていました。毎日残業し、それでも終わらないから休日出勤。いつも時間に追われ、閉店間際のはなまるうどんに飛び込み、かけ小にコロッケを載せたのをかきこみ終電で帰る日々でした。

 そんな日常の中で、照手の実家からたまに届く野菜セットは、ちょっとした楽しみでした。終電前に帰れた日には、くし切りのカブをオリーブオイルで焼いて塩パラパラ、短冊に切ったキュウリやにんじんにマヨ味噌を塗ったのでビールをキュー。くたびれた日に料理するのはおっくうですが、野菜に滋味やうまみがあれば簡単な調理でもおいしいんだなと思いました。こういう野菜を自分でもつくりたいと思ったのが、菜園を始めたきっかけです。

 料理好きな人はもちろん、料理をする時間がそんなにない人にも、新鮮な旬の野菜を食べてもらいたい。そんな思いで、野菜セットを作っています。

(友亮) 

※1 種苗メーカーが海外で種とりした種子は、病気を国内に持ち込まないように消毒されている場合があります。そうしたタネを使うこともあります。

 

セットと一緒に畑のことを

 私の両親は新規就農の有機農家です。小さい頃から草をむしったり、夏場ミニトマトをとったり、ちょくちょく畑の手伝いをしていました(お小遣いをもらうため、という切実な?動機から。それから20年もたってまた自分で同じことをするとは思っていませんでした…)。ただ、手伝いは学校休みの日だけ、断片的なものだったので、自分で種をまくところから収穫、片づけまで一つの野菜の面倒を見るとたくさんの発見があります。

 にんじんは苗を育てて移植したりせず、タネを畑に直接まくのは、まっすぐ伸びる根を傷つけないようにするためなんだ! とか、作業の一つ一つにこんな意味があったのか! と知ってるようで知らなかったことがたくさん。とれたての野菜をどう食べようか、にらめっこしながら考えて、パパッとつくった料理がおいしいとうれしい。そんな畑や畑まわりでの出会いや発見を、野菜セットと一緒にこの通信でも少しお届けできたらなと思ってます。 (照手)

 

畑のようす

 今年は梅雨が長引いて、畑の中は水浸し。レタスやコマツナ、ルッコラなどは加湿を嫌うので、収穫できず泣く泣く破棄するものが多いです。一方でサトイモやナス、キュウリなど、水けが好きな品目は、葉っぱをぐいぐい伸ばして生長。いつか出る太陽で、光合成をする準備がばっちり整いました。

 イラストはトウモロコシにひっしとしがみつくカブトムシ(メス)。 3日くらい頭を突っ込んだままの様子を「こらぁ、スケキヨだ!」と友亮。伝わるでしょうか…?